2024年師走。1969年生まれの3人の男達が都内ルアーショップ「VILLAGEDOOR」に集まった。写真左(ルイスレザー/サイクロンの革ジャン姿)は、ハッキリした性格で溢れんばかりのマンパワーを持つショップオーナーの戸村さん。大手量販釣具店を離れ自らの店を構え8年目。感度の良い釣り人が集まり、ビッグベイト系ルアーをはじめ、拘りの品揃えで常に注目を集めている。写真右(清潔感のある白が似合っている)は、ルアーブランド「ジャッカル」のテスターを卒業し、この度自社「BETOBETO」を立ち上げたカワシマさん。以前は美容師を営みながら釣り場へ足を向けていたが、現在は自社に絞り3年目。代表として初のブランドハンドリングに疑問を抱いていたようだが、現在は思考回避して地元千葉県より上京してくれた。ここに本企画を呼びかけた本誌発行人コマツを含めて、思えば我々は同世代。共に釣りが好きで同じ時代を生きてきた。同じものを見て同じことを感じてきた我々の話が合わないわけがない。オヤジトークだろうが何だろうが、釣りが好きでそこに自分の価値を見出し、自分と向き合って今日を生きていることに間違いはない。個々にベクトルは違えど、似たような価値観と美学を元に夜は更けていった。
GUEST:カワシマ ツトムさん
1969生まれの0型。とにかく温厚でマイルドな人柄。キャリアある美容師を営みながら、釣りとは一生のお付き合い。周りに気を配り優しく振る舞うが、その背景には譲れない確固たる姿勢を忍ばせている。BETOBETOブランドのオーナー。
betobeto.base-brands.com
betobeto.org
betobetostore.base-brands.com
https://www.instagram.com/betobeto.fishing/
GUEST:戸村 竜太さん
キャプ:1969生まれのB型。白黒ハッキリした性格&口調なため、そのスイングを時に怖がる人もいるとかいないとか(笑)。釣り以外にも、キャンプや音楽やインテリアにも想いを寄せるハイエナジーな個性全開な方。ショップVILLAGEDOORのオーナー。東京都大田区田園調布本町56-3 田園調布マンションB1-A(電話ナシ)。
https://www.instagram.com/villagedoor_bass/
- L:この度は1969年生まれの同世代同士に集まっていただきましたが、この場を借りてお互いの印象はいかがですか?
- カ:戸村さんと言えば…「クッソっすね!」って、あの言葉を聞くとスカッとすると言うか、ハッキリ言うから気持ち良いんですよ(笑)。
- 戸:カワシマさんは同じ歳とは思えない「オッサン臭さ」がないですし、釣りスタイルも「正統派なのに正統派じゃない」ってとこが良いですよね。アリーナクラスのライブをライブハウス臭くやっちゃうみたいな(笑)。凄い人なのに…凄そうにしてないのが凄いですよ。
- カ:好き勝手出来て、しがらみの無いインディーズ感覚が実は好きなんですよ。
- 戸:釣り人って、表現が過剰すぎる人もいますからね(笑)。
- L:カワシマさん好物の「クッソ話」は、アフターの居酒屋に行ってからにしましょうよ(笑)。
話を戻して…お二人は大手企業に属しながら、今では自らの道を切り開いていますが、それについて失礼なければ教えて下さい。
- カ:全く問題ないですよ。自分の本業は美容師だったんですが、指先の事情で仕事を続けることが出来なくなってしまって。そこで家業を手伝いながら、ジャッカルさんからお仕事をいただけたらと相談を重ねていたんですが、ある日きっぱり断られてしまって。あの時期はジャッカルさんも色々と問題を抱えて、虫の居所が悪かったかもしれないですね。だったら、勢いと気持ちだけで自分でやるかしない!と思って自社ブランドを決意しました。
- L:確か…戸村さんも、独立目的の退社じゃなかったですよね?
- 戸:え!俺?基本的に店をやろうと思って辞めたわけじゃないんで、ただサラリーマンについていけなくてドロップアウトしたんですよ。何も決めないで自主退社して、辞めて半年は「これ以上、釣りしたことない!」ってくらい釣りばっかりしてました。でもある日、嫁が心配して「気分転換に不動産屋に行かないか?」と誘われて行ってみたら、良い物件があったんですけど現実は甘くなかったですね。ワンルームマンションとは違って、無職の人間に店舗なんてなかなか貸してくれないですよ。なんとか審査が通って、今があるのは嫁のおかげと感謝してますよ。
- L:とは言え、やっぱり釣具屋だったんですね?
- 戸:ま?、これしか出来ないって言うか。釣具嫌いじゃないんでね。
- L:そりゃ、我々釣り好きですから(笑)。独立してメリットとデメリットはありますか?
- カ:頭の中をリセット出来れば自分次第で自由な時間が作れて良いですけど、最初は分からない事だらけだったんで厳しい印象しかないですね。一定の顧客と対面して技術を提供する今までの仕事とは全く違って、メーカーとかブランドって大変な仕事だなぁと思いました。でも少し時間が経って、自分が堅苦しく考え過ぎていたことに気がつきました。業界のルールを守るのは当然なんですが、あまりにも自由な展開に躊躇してました。
- 戸:ダメですよ?、自営業の醍醐味は「自由に出来る」ことなんですから。ちょっと前にこの話を聞きましたけど、酒飲みながらもダメ出しをガンガンしましたからね(笑)。
- L:確かに!勿体無い話です。ご自分で付けたブランドネームは意外でしたが?
- カ:とにかく前向きなイメージで、カッコ良いブランド名は似合わない気がして。「BE TO」とは「?を成し遂げないといけない」で「TO BE」「次に向かって?」みたいなニュアンスなんですよ。「BETOBETO(ベトベト)」って良いイメージじゃないけど、ギャップを意識して、釣りブランドらしくない言葉が好ましかったんで丁度良いな?と思って。
- L:なるほど?。カワシマさんだったら「サラサラ」あたりが丁度良く思えますが、良く考えたら、清潔感あってスマートなカワシマさんだからこそ、付けられる名前かもしれませんね。デビュー作の「HOO155F」には、どんな想いが込められているんですか?
- カ:カワシマと言えば、ジャッカル時代にリリースした「カワシマイキー」のイメージが強いのかな?と思い作りました。
- 戸:ズバリ!「HOO155F」は「カワシマイキー」を殺す(上回る)ルアーなんですか(ニヤリ)?
- カ:いやいや、自分が関わった製品に対してそんなことはないです(笑)。ちゃ?んと「カワシマイキー」では至らない隙間を埋める共存目的で作りました(笑)。
- 戸:同じはずはないんだけど、そこが聞きたいっすよね?
- カ:「カワシマイキー」はお尻部分にウエイトが入ってないので、頭はクランクベイトみたいに水を噛みますがお尻部分は水を逃しているんです。でも「HOO155F」には強めなシャッドテールみたいに、お尻を振らせたかったのでウエイトを入れてあります。お尻の力で水を攪拌するからか?小さいバスが戯れてこないので、魚のサイズを選ぶつもりで使い分けしています。
- 戸:SPEC -Cとの違いは?
- カ:ラトルも入っていますが単純にボーン樹脂で浮力が高いっすね。僕はオリジナルのリップを付けたトップウォーターで移動距離を抑えて使うことをオススメします。海のシーバスを釣ってくれる方からは、このラトル音が魚を上に上げてくれるとも聞いています。
- L:もちろん来期にもご用意ありますよね?
- カ:いつくかありますが、小ぶりで千鳥系のクランクベイトなんかもありまして。それはリアフックを外すと、水面をテーブルターンして虫系を演ずるトッププラグにもなるんですよ。一つのルアーで色んな使い方や楽しみ方を提案するスタンスは崩したくないですね。「クランクなのにトップになっちゃう」っていう、こういう遊びのあるスタンスは曲げられない…かなぁ(言い切ってしまえば良いのに、いつもの良い人モードな口調)。俺が売っても作っても「え!?」と思われないものをリリースしたいですよね。
- 戸:これからのカワシマさんは遠慮しないで、やりたいことを存分にやって下さいね。来シーズンこそ、期待していますから。
- L:ですね、今日はありがとうございました!では改めて我々同級生3人で改めて乾杯しに行きますか?!ここでは載せにくい話はそちらでお願いします(笑)。
BETOBETO LURE’S
BETOBETO /HOO155F
Length 155mm/Weight 38g/Type Floating/Hook #2/Price ¥3,900&tax
ターゲットをバスやシーバスまでも視野に入れ、関東発のスタンダードなビッグベイトを目指し生まれた。フラット面と曲線を組み合わせ「操る楽しさ」を形にしたブランドデビュー作。カワシマさんの想いがここに!
BETOBETO /HOO155HF SPEC-C
Length 155mm/Weight 31g/Type High Floating/Hook #2/Price ¥3,900&tax
高浮力と低比重/底硬度の特性を生かし、俊敏でキレのあるアクションはボーン樹脂素材の特権。急速潜行/障害物回避性能に優れるクランキングリップを採用。水面のウェイキングからカバークランキングまで活躍する。