世の中の釣り媒体は実釣(ノンフィクション)がポピュラーですが…「いつどこでこう釣りました!」という釣果報告がメインですよね。釣り人の心を惹きつけるのは間違いないのですが、いざ自分が釣りに行ってもその状況は100%同じではありません。よって結果も異なります。仮にフィールドやタックルを合わせたとしても、天気や使い手(釣り人)は異なるため同じ釣果を期待したら大間違いです。それでも情報が欲しいなら、信憑性はさておき、ネットでポチポチしてもらうのも良いかもしれません。「で、ローバイトは?」と言うと、釣り媒体では御法度に近いフィクション(あるような&ないような)で釣り人の心を温めたいと考えました。アホらしいお伽話ですが、背景にはエモいパンクな気持ちが込められています。通常の釣り媒体では取り上げない手法にはなりますが、最後までお付き合いを頂けたら幸いです。そしてこんな企画に賛同してくれたUNDEAD FACTORYに深く感謝します。「釣り」で感じていきましょう!
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第一回最終回/UNDEAD劇場:
昔あるところに、『欲助』という釣り好きな若者がいました。彼と言えば「凶暴なサメを手懐けた!」とか「自分は釣った魚と会話ができる!」とか、友達の釣った魚を見て「あれ?この魚、俺が昔に釣った魚と一緒だ!」などと、常に自分を強調したマウントを取りたがる心の狭い釣り人でした。現代で言う「ビッグマウス」や「カマってちゃん」などの自分中心的な態度が、冷ややかな目で見られ周囲をざわつかせていました。野球やサッカーのチーム競技とは異なり、そもそも釣りというのは「魚vs自分」の個人競技。よって釣り場での行動を第三者に見られたり指摘されることはほぼありません。「誰も見てないから、ついつい!」という状況が、欲助のBAD野心に火をつけてしまうのでした。例えば、釣り場で新たな釣り人が現れ「釣れますか??」と尋ねられることがあります。自分も竿を振っているのにも関わらず、欲助は真顔で「ここは魚いねーけど、あっちにたくさんいたぞ!」と嘘をつくことが多々ありました。欲助は釣り場を独占したかったのです。気軽に話しかけた釣り人は気分を悪くすのは当然。到底、釣りを楽しむ気にもならず去っていくのでした。
そんな欲助は釣り方に関しても貪欲で手段を選びませんでした。水辺へのアクセスが面倒だと、通行を妨げお構いなく路上駐車。釣り場近隣の方達は大迷惑。釣り人の悪印象を植え付けていました。また千切れて使えなくなったワームを足元にポイポイ捨てることもありました。時には高台から魚を見つけて我先にキャスト。魚に食わせたのはいいが、足元まで魚を寄せるとランディングが出来ないことに気づき苦戦。足場が高いため、魚を抜き上げるには糸が切れたり竿が折れてしまうかもしれない。水面まで届くネットも常備していない。釣れてからのことを考えていなかった欲助は…無惨にも針の付いた魚の糸を切り、リリース気分で何とも思っていませんでした。常に上から目線の彼は、不意なラインブレイクをしてしまっても「アイツ、俺のルアーを持って行きやがった!」と腹を立て、口に針がついたままの魚の気持ちなんて考える余地はありませんでした。釣り人としてのマナーも最悪だったのです。
そんなことを繰り返していたある晩、欲助は悪夢でうなされました。それはまさに邪険に扱った魚達からの呪いとも思える恐ろしい夢。自分の口に顔よりも大きな針が付いていて、肩は凝り、食事もまともに摂ることが出来ない。横たわっても寝返り一つ打てない。寝床には眉のように糸がグルグル巻かれており、それに触れると電気ショックが走り生きた心地がしませんでした。これは普段の行いが招いた、死んでも死にきれない(納得のいかない)UNDEAD FISH達からの逆襲だったのです…。絞れるくらいの大汗をかいて目覚めた欲助は、鼓動の鳴り止まないまま釣り場へ飛んで行き、涙ながらに大声で叫び湖畔で詫び続けました。釣り場は自分の家でも人の家でもない。自然が生んだ我々にとってありがたいフィールドです。友達宅にお邪魔する時でも靴を脱いで「お邪魔します!」と言うように、釣り場でも同じ気持ちで接して当然。我々が楽しむリリースを前提にしたゲームフィッシング(魚との知恵比べで釣りを楽しむ)とは、狩猟目的の漁とは異なります。生活のために釣って食べる目的でないのなら、必ず生きた形で自然に戻してあげましょう。「遊んでくれてありがとう!」と魚に感謝の気持ちを忘れずに、なるだけダメージを少なくしてリリースしてあげましょう。それでこそ、また魚に遊んでもらえるはずです。釣り場に立つ以上は、釣り人としてのマナーを身につけてからにするべきなのです。「とにかく釣りたい」や「みんなに自慢したい」ばかりだった欲助は深く反省して、心に余裕を持ちながら、魚をリスペクトしながら、生涯の釣りを楽しむことを誓いました。それ以降の彼は、風が運んだか?心無い人が捨てたか?見かけたゴミを自主回収したり、ラインブレイクを懸念して太めのライン設定にしたり、ラインが切れても魚が自主的に外しやすいバーブレスフックを使ったり、釣り人の鏡として生まれ変わって釣りを楽しみました。
男ならば、幼少の頃に昆虫採集でワクワクした狩猟本能が宿っているはずです。「可愛いな?!」と見惚れ「格好良いな?!」と憧れ胸を膨らませたものです。大人になった今は、それに近い気持ちで魚と知恵比べをして楽しんでいます。「たかが釣り」ですが「されど釣り」です。釣りをしていたらからこそ、自然環境や人間関係、生き物に対する姿勢など学ぶことは無数にあります。せっかく出会った最高の遊びなので、人生の最高の肥やしになることをローバイトとアンデッドファクトリーは心から祈っています。
UNDEAD FACTORYからNEWS
釣りが出来る喜びを噛み締める。どの世界で生まれ変わっても釣りをしていたい。心に残る釣りこそ、水辺に魂として宿り現実の中で生き続ける。2025年のUNDEAD FACTORYから新着届く。
UNDEAD FACTORY/Laplace-D 61UL朧螢をリリース:
「ラプラスの悪魔」 を物語る特殊能力系ロッドの「ラプラスシリーズ」。レギュラースローなブランクテーパーでバイト?フッキングまで一連の動作で完結。6.1ftの長さを生かし、軽量ルアーでも今まで以上に飛距離UP! 一秒先の未来をフッキング! 6.1ft (2pcs)/チューブラーロッド/チタンフレームトルザイトATガイド採用。税抜\55,000。
UNDEAD FACTORY/Laplace-D 53BL Greatnatureをリリース:
渓流ベイトフィネスやエリアトラウトでの操作性を重視し、手返しよくピンポイントにキャストでき、スプーン、プラグをダイレクトに操作可能。「ケタバスフィッシング」はUNDEAD FACTORY的な楽しい使い方。5.3ft(2pcs)/チューブラーブランク/チタンフレームトルザイトリングガイド採用。税抜\55,000。