「Hang In There」のブランド名=「釣れない時でも、その先にあるBITEを求めて諦めるな!」という励ましのメッセージが込められている。ブランドシンボルマーク=デビュー作の「ボトムバウンド」の立体的なジグヘッド形状を表し、左右の伸びる線はラバーをデフォルメしたもの。「Build up with you」のスローガン=ビルダー1人の考えを押し付けるのでなく、常にテスターやユーザーさんと皆さんの力を借りて作り上げていきたい。こんな「Hang In There」はジグからスタートした「若手マイペースインディーズルアーブランド」。物作りや価値観に対する意識は高く「釣ることも楽しんでほしいが、釣ろうとすることも楽しんでほしい」と釣りの奥深さまで唱える。他社にない独自の考え方と肩の力が抜けたスタンスで、今後も釣り人や釣りメーカーをハッと驚かせることを期待したい。
L:ブランドのファーストリリースは?
ブランドの原点は「ボトムバウンド」なんですが、ボトムで針が立つ水平着地に特化したスモラバです。釣り始めからスモラバが好きで、水深のある琵琶湖や池原ダムの10mラインでもスモラバ投げて釣ってますね(笑)。軽いルアーだから沈めるのに時間かかってリスクあるんですが、見つけてもらえたら釣れてしまう自信がありますね。魚がいると確信あるポイントでは欠かせなくて、通常は目に見える浅瀬の魚に使う人が多いと思いますが、実は使い方がたくさんあるんですよ。ボトムで跳ねさせて使うのはメインですけど、ヘッドが面の形状になっているのでスイミングでスローに巻けるし、実はオールラウンダーなルアーって言えると思います。水面では虫、中層では小魚、水底では海老、いろんなベイトをイメージして使えますからね。
L:各ジグヘッドには塗装されてませんが?
敢えてヘッドは塗装していない鉛のままですが、使っているとスモークがかってきて味が出てきます。仮に製品化で塗っていても、使っていたらどうしても剥げてしまうので、だったら無地にして少しでもコストと単価を下げて、学生バサーにも釣りを楽しんでもらいたい意図が込められています。それもあって「ボトムラウンド」はワンコインで収まるようにしています。
L:どんな思いからルアーを手掛けますか?
人と同じなのが嫌で人と被らない路線を好むせいか?ルアーの中でも少し変わった路線を辿っています(笑)。先日も「もっと軽いジグも作ってほしい!」と要望があったんですけど、3g以下だとあの形状を保てなくなるので「他社さんに色々あるんでそっち使ってください!」とお答えました。でも、理にかなった考えで「こんなの欲しいんです!」って相談されたら、作ったり作り方を教えたり色々ありだと思っていますよ。最近のルアーは作り手の思惑前提に作られているから、ユーザーもそれを真似て釣りをする傾向がありますけど、釣り場やタックルによっても条件は違うので、あくまでも自分流の使い方を編み出してこそ、ルアーが活かされると思ってます。情報が溢れちゃっているので、自分らしい釣りを楽しむ習慣が無くなりつつあって残念ですよね。だから、僕も思いつかないカスタムなどしてくれたら嬉しいですね。実はジグのガードもスカートも元から長くしています。お好みに合わせてカットしたり、人それぞれで角度やボリュームも調節してほしいですね。あくまでもユーザー目線で考えています。
L:ルアープロダクトについては?
元々設計関係の仕事をしていたので、キャドを使って3Dプリンターで型を作って量産化してます。目指すアクションが決まっていれば、何処をどうしたらそうなるか?くらいはイメージつきますね。但し物理学的に頭でルアーを考えてしまうんで、魚をイミテートすることが得意じゃないんですよ(笑)。だから今のところ、チャターやバズベイトなどのワイヤー系ルアーをリリースしています。あくまでも自宅の台所で作業ができる範囲ってのもありますけど(笑)。手料理と同じくキッチンから生まれる完全なホームメイド製ですよ(笑)。