DRTの名作中の名作“タイニークラッシュ”。その名作を陰ながら支えるのが“STY-35MF”。
個性的なビルダーDRT白川氏の目に止まった個性的なフックは、超超超人気な個性的な名作ルアーを生み出した。何故かローバイトだけに漏らしてくれた貴重なお話だそうだ。
D:スローフローティングの浮力設定を、まあまあ際どいところまで追求しているので、ルアーにとって針の存在は重りの役目もあってシビアなんです。針のシャンクが長いとアクションがタルくなって、理想的なアクションに影響が出てしまうんです。でもこの“STY-35MF”はシャンクが短くて軽いので、キレキレ(機敏な)アクションが実現出来るんです。タイニークラッシュの発売当初は、この針は発売されていなかったので、新製品として釣具屋に並んだ時に「これは!」と思って早速試しました。そうしたら調子が良くて、直ぐに採用しようと思いました。
L:凄い!製品化した以降もテストは欠かさないんですね?
D:一応、釣り人なんで(笑)。高速スピードにも対応してくれるし、軽いから魚が針ごと吸い込みやすいんです。通常のトレブルフックは三方向へ均等に針が伸びていますが、これは少しイレギュラーで150°/105°/105°に開いているんです。ビッグベイトを横から食ってくるバイトも拾いやすいし、更に掛かったらバレにくいですね。針先は潰れにくいし…なかなか「凶暴な針」ですよ(笑)。
L:ベタ誉めですね(笑)。
D:2回目ロットからはこれを採用しています。実はこの針を採用したいがゆえ、オフレコですけど…既に発売されているアイの位置を変更しました。当初のフックはルアーボディーを上から抱き込んでしまう時があったんですけど、ショートシャンクになった事で解消されました。その結果、重心が後ろに行ったのでアクションにキレが生まれたわけです。
L:ちょっと待って下さい!?せっかく作った既存の金型を変更してまで「さりげなく改良した!?」って事ですか?ルアーを作るのに金型って最もリスキー(金銭的負担大)ですよね…(汗)。
D:まあ“STY-35MF愛”が強いかもしれません(笑)。
L:しかもコストと手間をかけてバージョンアップしたのに未公開なんですか!?
D:最近DRTもフックの販売を始めたんで、周りから「タイニークラッシュ用の針も出してくれ!」と、リクエストがあるんですけど「タイニークラッシュはSTY-35MFで完成形ですから!」と答えています(笑)。
L:…欲のないと言うか、筋の通ったと言うか、DRTって何かとストイックなメーカーですね(笑)。
D:いやいや(両者爆笑)。
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