
- 利川:元々、照明関係の仕事で電気を給電する部品の開発をしていまして、成形関係には縁の深い仕事です。釣りはビッグベイトの釣りにハマって5?6年前から始めました。仕事柄で図面は描けたので「自分好みのルアーを作ってみたい!」というところからスタートしました。釣りを好きになればなるほど出費も多くなるので、せめて釣り具代だけでも釣り具で稼いでプラスマイナスゼロになったら良いなという本音もありましたね(笑)。
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LB:ところでネーミングが不思議だらけでして…。
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利川:「マドタチ」の由来は…。子供の頃、夢遊病のような徘徊癖がありまして(笑)。外出して100m先の親族を訪れてみたり、家族内でも何かと問題になっていまして。寝ぼけた僕に妹が話しかけると「マドタチじゃ!」と訳わからない言葉を叫んだらしく、それが家族内でちょっとした伝説になってまして(笑)。釣りとは何の接点もないのですが、それをブランド名にしてしまいました(笑)。で、このルアーに関しては、葉っぱみたいな形のルアーに機能を足していくから「ハニタス」にしました。最大の特徴はヒレ部分についた「クウィングシステム」でスイムレンジを変えられる事です。50cm刻みの三段階で泳ぎます。
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LB:見た目はバイブレーションのようなフォルムですが?
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利川:ハニタスはレンジが浅くなる設定では細かいピッチでロールし、レンジが深くなるとピッチが大きくなり蛇行するように泳ぎます。3つのヒレ角度から選択し、ワンタッチでレンジとアクションを変化させることができる。ヒレで水を受け流すように潜行しますので、例えばバイブレーションやリップ付きルアーなどと潜行レンジが同じでもアクションの質が異なります。
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LB:もしかして、このアイデアあっての開発スタートですか?
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利川:「ビッグベイトより一回り小さくて弱々しいルアーが作りたい」という思いから50回以上の設計変更をしました。初めはアクションがロールして安定しなかったです。そこでサイドにヒレをつけてみたら理想のアクションが出たのですが、追求していくとルアーが潜りすぎてしまって使いづらいものに。固定のヒレでも釣果はあったのですが、このヒレを使ってレンジを変える事で幅広い状況で使ってもらいたいと考えたんです。
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LB:だからと言って、このシステムが直ぐに?
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利川:あ、それは普段の仕事でバネやビスを使用しているので早期に思い浮かびました。元々が構造系の仕事ですし設計に全く問題はなかったです。が…三段階のアクションをヒレサイズと角度の設定をするのに何度も修正して色々と迷いました。そして腹を決めてアイデアの特許申請を行いました。権利化するまでには相当な費用がかかったので、とにかくゴールして販売して回収したいという焦りも抱えました。本業をしながら、仕事が終わってから琵琶湖にテストで通い休日は開発に没頭。「これって楽しいんかな?」と何度も不安になりました。自分は釣りが上手い訳でもなく、爆釣ルアーとして有名になった訳でもないですが、このギミックを面白がってくれる人達に受け入れていただいて、今では本業を離れてルアー開発をメインに活動しています。
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LB:それにしても、バスは葉っぱを食べないのに…よく葉っぱで勝負しましたね(笑)。
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利川:実際に「葉っぱカラー」もラインナップにありますが一番人気ないです(笑)。でもこれを見た人は忘れないじゃないですか?だからこのカラーは外さないですし、こんなルアーがあったら面白いじゃないですか(笑)。
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LB:ルアーに遊びがあるのは賛成ですね(笑)。そう言えば、現代風でパッケージもシンプルでオシャレ。i phoneみたい!
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利川:釣具屋を訪問してもこんなパッケージは見当たらなかったし、このルアーも多機能がウリだったのでこの路線に便乗してみました(笑)。
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LB:なるほど…オシャレなパッケージと思いきや、目に入るのは肩の力が抜けたネーミング。そして無機質なパッケージを開封したら多機能なルアーが現れる。そしてそれは、時に冗談と本気を兼ね備えた「葉っぱカラー」さえ顔を出す。このツンデレ感…なかなかの策士ですね?(ニヤリ)。今後も楽しみにしています。面白いお話をありがとうございました。
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