街中はもちろん、空前のブームを起こしている自転車。このブームと“釣り”を結びつけて、スタイリッシュにまとめた完全企画。魚をたくさん釣るより、仲間同士の連帯感やレジャーな雰囲気を押し出したページに仕上げました。
今回のクルーはストリートをメインに生きているメンツ。“遊び”が辛いものになっては仕方がない、程よい条件で迎えてくれた河口湖だが雨に包まれていた。強く降り付ける雨はカメラにとって天敵、前日の夜中まで判断に迷った。参加者の田上君はダンスミュージックのプロジェクト“音音(ネオン)”で活動している。ただいまレコーディングを控えており今日しか参加がでいない。もろもろの条件を吟味して「え~い!」と、飛び出したローバイトチームであった。
現場では極度な気温低下で人間側がややピンチに。今年も大ブームを引き起こす富士山がやや意地悪にも思えた。しかしそんなこともあろうかと、事前にお借りしていた防寒デニム“WILD FIRE”が活躍してくれた。ただのデニムでなく、秋冬の山遊びにはマストな新製品だ。まさにEDWIN様に感謝感謝の一日だった。
河口湖はと言うと、釣り人の込み具合はやや落ち着いていた(もしかしたら、無茶降りした雨のせいかも)。原宿キャットストリート沿いのBMX関連のウエアーショップ“DECADE”で働くセガ君にはお世話になった。ポイントの選択は、普段から通いなれた彼に任せた。おかげでスムーズな運びが出来た。自転車移動がメインな本企画。“DECADE”で扱うメインブランド”フォーサーティー“を運営するハジメ君が、この日乗り回すチャリを用意してくれた。幸運にも雨はすっかり止んで、チャリには最適な天気になっていた(ちなみに東京は降っていたらしい)。
通常車移動が多い釣り人は、たくさんの釣り竿を備えるソルジャータイプに思える。狙った獲物は何としてもしとめたい、魚を釣りあげることだけにスポットを当てた本気モードであろう。それとは真逆の思考で、自転車にまたがり竿1本を肩にかけて走りまわるお気楽タイプ。釣りを雰囲気ごと楽しむノンビリモードとも言えるのかも(笑)。こんなスローな釣りを取り上げたかったのだ。
この現場ではダイワの新作ロッドのDV1が役立った。振り出しタイプの竿で、コンパクトに縮まるのが特徴である。これでないと実現できなかった企画とも言えるだろう。この竿を肩から下げて自転車にまたぐ姿、想像していたロケーションに等しく現場は順調に進む。
たまには多少の脱線が現場を盛り上げる、笑顔で進めてこそ理想なページにたどり着くものだ。メインの写真を撮り終え一安心。そんなときに事件発生した。撮影終了後ローバイトスタッフが、バッグにDV1を入れ直し「その辺もいいポイントじゃない?」と、彼らを水辺へ導いた。その後1分もかからない距離で事件は起きた。バッグを開けて仰天「やばいっす…」と田上君がつぶやいた。どうやらローバイトスタッフが、竿先にキャップを付け忘れた模様。「ちょっとそこまで」のつもりが悲劇を呼んでしまったのだ。この企画のためにわざわざ拝借してきた大事な道具。便利がゆえに気持ちが踊っていたのか、使うにあたってのルールをうっかり忘れてしまったのだ。スタッフ全員の顔は真っ青…。深く反省をした我々は、本の発行後にお互いに反省文を綴る予定。そしてこの件は代表のコマツが、責任を持ってダイワ様へお詫びに行くことで着地した。
ロケは楽しい、しかし山あり谷ありと辛いときもある。そして思い出にも残るし勉強にもなる。今回は色んな人に協力をいただきページを拵えることが出来ました。3人のフィッシャーに製品提供してくれたエドウィンやダイワさん、ルアー製品ではメガバス、ジャッカル、ジャクソンさんもルアーを提供していただいた。大好物なレッドブルさんも差し入れてくれた。ロケの楽しく厳しい部分を学ばせてもらった。これにこりずに「またやろうぜ!」。