食事用巨大スプーンでバスを仕留めるチャレンジ。気がつけば、連載を3回もまたぐ結果となった。某有名動画サイトで見かけた映像では、30cmもあると思われるBigスプーンで次々とBigバスを釣りあげていたのだ。普段Top water Gameに拘る山上にとってはセンセーショナルな出来事だった。その瞬間、このチャレンジが頭に浮かんだ。
チャレンジは巨大スプーンを探すことから始まったが、見つけた食事用スプーンは、全長24cm重さ114g(4oz)最大幅7cmと文句無しのBigスプーンだった。ステンレス製のスプーンにフックを付けたいので、金属加工用のボール盤を鉄工所で拝借して几帳面に面取り(穴をあけた部分をなめらかにする事)まで施した。映像で見たBigスプーンを見習いしっかりとアシストフックもつけてみると驚く事に期待が湧いてきた(笑)。
さっそく実釣撮影に琵琶湖まで行った。きっと琵琶湖で食事用スプーンをルアーにしてブラックバスを狙ったのは僕が初めてだと思う(笑)。何でも形から入る山上は150馬力のエンジンを搭載した本格的なバスボートまで用意した。いざ開始すると4ozの重いルアーを竿が操りきれず、あっけなく琵琶湖のチャレンジは終わった。ツメの甘い自分に落胆した。
「このままでは終われない!!」と地元に帰宅、改めてStill Huntの楠本氏に相談した。彼に食事用Bigスプーンを見せた感想を伺うと、意外にも釣れるんじゃないか?と高評価をもらった(笑)。その流れで二回目は愛媛まで実釣撮影に挑んだ。片道5時間ほどかけて行った山間のダム。秘境(卑怯?)と呼ばれるほど実績の高いダムでのチャレンジであったが、天候が乱れるアクシデントとアンダーウォーターの釣りに慣れていない山上が足を引っ張り、片道5時間の釣行は完全なご足労で終わった。
おちゃらけたチャレンジだが、現場はいたって真剣だ。4ozのルアーを1日中投げ続ける事は簡単な事じゃない!!この頃から山上の頭の中はスプーンでいっぱいに(汗)。企画的にも最後を誓った食事用Bigスプーンでのチャレンジ。最後の舞台は地元徳島のダムだ。大雨が降った後に驚くほど釣果が期待できると、噂のバックウォーターにアメダスやダムの放流状況まで確認して奇跡を狙った。すいません・・・これまた完全に敗北でした(笑)。挙げ句の果てに、すっ転んで痣まで作ってしまった…。
安易な気持ちで始まったチャレンジだったが、徳島を拠点に滋賀県は琵琶湖、愛媛の秘境まで撮影に行った。このテーマのチャレンジは過去最も時間と体力を使ったと思う。ルアーの原点と言われる食事用スプーン。その昔、桟橋での食事中に湖に落とした食事用スプーンにお魚がバイトしたと言われる伝説がある。その伝説を現実にしてみようとチャレンジしてみたが、釣りの神は山上に微笑まず釣りの厳しさを置いていってくれました!!このチャレンジをきっかけに釣りにたいする心構えが大きく変わった。僕たちが楽しみ遊んでくれるお魚を甘くみてはいけない。お魚は命がけで僕たちから釣られないようにしているんだ。釣竿とリールそしてルアーという武器を与えられた人間は油断しがちかもしれない。真剣に向ってくる相手(お魚)には真剣に取り組まなきゃいけない!!そんな基本中の基本を再認識させてもらったチャレンジになりました。今後「山上にこんなチャレンジして欲しい!」というご要望ありましたら、お待ちしています(笑)。